59の認定品が伝える、
伝統の味、本物の味。
冬日に、凍結、解凍を繰り返してる作る
乾燥こんにゃく。
茨城県奥久慈地方
水戸市から車で約1時間半ほど北西へ。茨城県の最高峰八溝山から流れ出し太平洋に注ぐ久慈川水系の山間部一帯です。
かつて日本一のこんにゃく産地であり、こんにゃく発祥の地でもある茨城県の奥久慈地方で江戸時代から作られている乾燥こんにゃくが、凍みこんにゃくです。食用の凍みこんにゃくを作っているのは、全国でもこの地方だけとなっている稀少食品でもあります。製造は、12月から2月までの冬場だけ。手間ひまを惜しまず、全て手作業で行われています。まず生こんにゃくをすりおろし、撹拌、これを木枠で固めて、煮てから灰汁抜きをして薄くスライスし、さらに石灰水に数日ほど浸します。石灰水から引き上げた薄切りのこんにゃくに水をかけて、夜の寒さで凍らせ、昼に溶けたこんにゃくに、また水をかける作業を繰り返し、仕上げまでになんと1か月を要します。
天然の凍結乾燥により水分3%までにカラカラに乾いた凍みこんにゃくは、歯ごたえのいい独特の食感が魅力。煮物、フライ、天ぷら、さまざまな料理に使える珍しい伝統食材としてヘルシーブームにのって健康食品としても注目を集めています。
こんにゃくは昔から「腸の砂払い」といわれ、食物繊維が豊富で体によい食品として親しまれてきました。茨城県奥久慈地方はこんにゃく芋の産地で、こんにゃくは水戸藩の特産品として専売品でもありました。江戸中期、こんにゃく普及のために、輸送に便利で長期保存できる新製法が考案され、これが凍みこんにゃくでした。
現在出回っている一般のこんにゃくの9割は粉こんにゃく(こんにゃく芋を粉末化したもの)から作られていますが、これは製造が機械化しやすかったほか、こんにゃくらしい食感があるという理由によります。一方の凍みこんにゃくは、こんにゃく芋の皮むきから力がいるかく拌、成型、乾燥などを全て手作業で行い手間ひまがかかるうえ、こんにゃくらしからぬ食感であったため、次第に生産が減少していったのでした。
そんな中、減産されあまり知られていないが 「歯ごたえがいい、珍しいこんにゃくの伝統食品がある」「風土が育てた凍みこんにゃくをきっかけに地元を活性化したい」と、復活への期待が高まりまし た。昼夜の寒暖の差が大きく、同時に乾燥の必要から雪が降らない奥久慈地方だから誕生した風土と手間の技。毎冬、わらを敷きつめた上にこんにゃくを並べ 天日干しをする昔ながらの製法で作られています。