59の認定品が伝える、
伝統の味、本物の味。
添加物なしの伝統製法、
深い甘さと香りが魅力。
種子島西之表市の沖ヶ浜田集落
種子島は鹿児島県の最南端から東シナ海43キロに浮かんでおり、沖ヶ浜田地区は島の北東海岸にあります。
日本でサトウキビが育つのは、鹿児島県の西南諸島と沖縄だけ。生育の適地は、年平均気温20度以上で、年間雨量1200~2000ミリで、これは島の亜熱帯性風土の特色にほぼ一致して、種子島の特産作物となっています。
沖ヶ浜田の黒糖の原材料は、沖ヶ浜田集落で栽培されたサトウキビ100%、添加物は一切なしの安心な天然食品です。サトウキビの絞り汁を薪だけを燃料 に、3層の釜でじっくりと煮詰め、木製のかく拌機でかく拌し、冷やし固めてできあがるという昔ながらの伝統製法を守っています。
サトウキビの品種は黒糖の味に直接影響します。そのためほぼ全島で栽培される農林8号(島内栽培種の9割を占める)だけを使用した場合には、味の低下をまねくとし、とくに沖ヶ浜田地区ではNC、太経種、8号、17号など多品種を栽培してブレンドし、さらなる美味を追求しています。また、製糖期間もサトウキビの糖度が高くなる11月から3月までの季節に限定しています。サトウキビ農家の味へのこだわりと品質管理への努力により、沖ヶ浜田の黒糖は、 色・香りがよく、ミネラル豊富であるため深みを感じる甘さが特色です。
種子島でサトウキビ栽培が始まったのは江戸後期にさしかかった文政年間1825年からと伝えられています。それから後、明治から昭和30年頃までの長い間、馬や水車を利用して圧搾したサトウキビの絞り汁を薪で煮詰めて、黒糖を作っていました。当時は大蔵省より製造許可を受けた番号があり、このため 沖ヶ浜田のサトウキビ栽培農家は、今でも31番組合および34番組合と称しています。つまり、過去60年間にわたって毎シーズン製糖作業を行ってきたことであり、現在においても、島内では沖ヶ浜田地区のサトウキビ栽培農家だけが機械化されていない手作りで黒糖を製糖しているのです。具体的には、自ら栽培したサトウキビを手刈りでていねいに脱葉する収穫段階からこだわっています。機械で刈取ると残葉があり、味が落ちるためです。圧搾だけは電動圧搾機を使っていますが、品質に大きく影響する加熱・濃縮・かく拌の加減や切り上げのタイミングは全て熟練の経験によるもの、絞り汁を3番釜までに移し変え約10% まで濃縮させ、黒糖の純度と密度を高めていきます。品質に大きく影響する加熱時間や火加減やもいっさい計器を使用せず、人が技と心を込めて仕上げまで手仕事で作られています。