59の認定品が伝える、
伝統の味、本物の味。
豊かな色・香りとうまみを引き出す
独自の桶(こが)仕込み製法の醤油。
香川県小豆島一円
小豆島は、153キロ平方メートル、瀬戸内海で淡路島に次いで大きな島で、江戸時代からの醤油の名産地です。
小豆島は江戸時代から400年もの歴史を誇る醤油の名産地で、現在も日本の4大醤油産地のひとつに数えられています。昔から島の醤油造りには杉の桶を使用して醸造(発酵・熟成)が行われ、色・コク・香りよい、おいしい醤油を造り出してきました。とくに醤油のコクと香りの決め手になるのは、よい麹菌を育てることで、それにはよい酵母が棲みついている桶(こが)と呼ばれる大きな杉桶を蔵で使用することが重要なポイントとなっています。桶(こが)は、 上部の直径が約2.2メートル、深さ1.7メートル、容量は約32石(5800リットル)、杉の板を組んで、たがを使って締めた巨大な桶であり、古いも のは100年以上、新しいものでも50年は使い込まれています。
ステンレスなどの屋外タンクで製造する醤油は、4カ月から8カ月でできあがるのですが、小豆島桶仕込醤油は濃口醤油で1年、再仕込醤油では2年の長期にわたり時間をかけて醸造させているのが特色です。
化学調味料、合成保存料、合成着色料などは一切使用せず、九州の丸大豆、香川と北海道の小麦を原料として、杉桶でゆっくり発酵・熟成させて極上の醤油を造り出しています。
江戸の昔から小豆島で醤油産業が発展した理由は、まず醤油の原料となる良質な塩が島でとれたこと、大豆や麦の入手が海上輸送によって容易だったことをベースに、なによりも温暖な瀬戸内海の気候が麹菌を育てるのに適した風土であることでした。明治時代に入り、醤油製造の品質向上と醤油産業の発展を目的にはじめて組合が作られ、その延長上で昭和27年に「小豆島醤油協同組合」が組織されて現在に至っています。
約40年前には近代的な醤油の量産タンクを導入しましたが、同時に150本の桶も残して江戸時代からの伝統製法も引き継いでいくという方法も選択しました。厳選の国内材料にこだわって「麹」をつくり、さらに水と天日塩を使用して「もろみ」をつくって、これを杉桶で長期にわたりじっくり蔵仕込みする小豆島桶仕込醤油。組合では、つねに最高の品質を保つために、最新のバイオテクノロジーやコンピュータ制御技術を活用するだけでなく、昔ながらに自然の力を大切に、人手と時間をかけた伝承の製造方法もていねいに継承し、醤油名産地の地盤を踏み固めています。