59の認定品が伝える、
伝統の味、本物の味。
三河湾の自然と醸造文化が育む至極の“佃煮”
東京・佃島で生まれた佃煮は、参勤交代で江戸を訪れた地方大名たちがお土産で持ち帰ったことで全国に広まりました。中でも徳川家の御料地で遠浅の海が広がる三河湾周り一帯は海産物も砂糖も豊富。そして醸造文化が発展していたことで醤油やみりんにも恵まれた、まさに佃煮に適した地。こうした背景から、三河に佃煮が名産品として根づいていきました。
あさり、めひかり、あゆ、ちりめん等地域の良質な海の幸に、それぞれの味わいに合わせた丁寧な加工を施すことで豊かな発展を遂げてきた三河生炊佃煮(Ⅰ種)は、甘味が強調された上品な味わいが大きな魅力だと言えるでしょう。またシンプルな食材であるため、ご飯のお供としてだけでなく、オリーブオイルやクリームチーズ、トマトなどと合わせ、洋風テイストのアレンジも楽しめます。
素材によっては煮る前に素焼きやボイルを行い、煮炊きの際は厳選された醤油、砂糖、前の炊き上げ時に出た煮汁、その煮汁を伸ばし整えるための新液(醤油、水飴、砂糖等で調合)を用い丹念に炊き上げ、仕上げには三河佃煮特有のかけダレで見た目のおいしさを引き立てるとともに、細菌の繁殖を抑制し保存性を高めるのが三河生炊佃煮(Ⅰ種)の伝統技法。こうして、それぞれの佃煮には素材の旨味が存分に生かされた、個性的で奥深い魅力が生まれます。